骨盤周囲の筋肉②
体を動かすことが多い人はハムストリングという筋肉を聞いたことがあると思います。骨盤の下から膝の裏側をつないでいる筋肉で、歩くときに足を蹴りだす働きがあります。
ハムストリングは下半身を動かす重要な役割を担っていますが、普段意識して使われることが少なく、日常生活の中で鍛えるのは難しい筋肉といわれています。つまり、意識して鍛えないと筋肉が衰えて姿勢が悪くなったり、柔軟性がなくなって固くなります。この筋肉が固くなることで骨盤の動きを妨げてしまい、ちょっとした動作でも腰の骨だけ動いて、骨盤は動かない状態になります。
ハムストリングは骨盤の動きに合わせて伸びることがあり、筋肉が固い状態でそれでも前に屈もうとすれば、それだけ腰に負担が掛かり痛みを引き起こします。また、ハムストリングが固い状態で走ったり、ジャンプしたりする事で痛めてしまうこともあり、場合によっては肉離れといった大きなケガの原因にもなりかねません。
年齢や運動不足が一般的ですが、日常のある動作によって固くなります。それは、座っている時の姿勢です。お尻が引っ込んでおへそが引っ込みおしりが垂れ下がった状態で腰掛ける つまり、座面に浅く腰掛けた姿勢が悪い状態の座り方をすると骨盤が後傾という状態になります。 この骨盤の後傾状態になるとハムストリングは使われないので固くなる原因になります。
座り方を変えるだけでも腰の負担も軽減されますのでもう一度、座る姿勢を見直してみましょう。
固くなった筋肉はストレッチで伸ばすことができます。立った状態で膝を曲げないように前屈し、太ももの後ろに伸びるのを感じるまでハムストリングスを伸ばしていきます。年配の方はこのやり方でストレッチをするとバランスを崩して転んでしまう恐れもあるので、脚をまっすぐ伸ばして床に座り、同じように膝を曲げずに体を前屈します。つま先を触ることを目標にしてみてください。注意してほしいのがストレッチは反動をつけて一気に行っても効果はありませんのでゆっくり伸ばしていきましょう。